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【漫画】腹も減るが先も気になるっ!『異世界居酒屋「のぶ」』を読む手が止まらない

 

古都アイテーリアに突如現れた、珍しい料理を出す店。実はこの店は異世界から現れた居酒屋だったのだ。

 

 

そんな居酒屋で起こる様々な出来事を描くグルメ漫画異世界居酒屋「のぶ」』。2019年3月に漫画最新刊の8巻が発売しました。

 

原作者は蝉川夏哉さん、漫画はヴァージニア二等兵さんが書いています。原作は単行本・文庫本ともに5巻まで発売中。2018年4月にはアニメ化もしていました。

 

漫画の内容は、原作とそれほど変わりませんが、小説では表現されていないキャラの表情や料理が確認できるため、よりお腹が減る仕様となっております。

 

 

 

【概要】

 

 舞台は異世界の古都アイテーリアに謎の力でつながった「居酒屋のぶ」。店長であるタイショーこと矢澤信之と給仕の千家しのぶは、そのまま異世界のお客さんを相手に営業を始める。

 

「居酒屋のぶ」は異世界にはないおいしい料理で次第に人気となり、様々なお客様を呼び込んでいく。その中には悩みや問題を抱えている者もおり、「居酒屋のぶ」の料理や接客が彼らの悩みや問題を解決する糸口となっていく…。

 

 

異世界居酒屋「のぶ」』は、訪れる人たちに問題解決の糸口を提供していく、人情味あふれる一話完結型のグルメ漫画となっています。

 

 

 

【人情話】

 

この「居酒屋のぶ」には、人に勧められたり偶然立ち寄ったりすることで様々なお客さんが訪れます。

 

その中には「イカが食べられないのでなんとかしたい」などタイショーに相談する人もいれば、隣国のスパイの一環としてたまたまのぶで料理を注文する人もいます。

 

そんな登場人物たちを話の主軸として扱い、悩みや問題を解決していくのが『居酒屋「のぶ」』という物語になります。

 

そしてこの解決方法が、うまく料理に絡めてあるんですよ。

 

例えば、居酒屋のぶを調査しにきた悪名高い徴税請負人ゲーアノート。彼は今まで仕事一筋で故郷にも全く帰っていません。

 

そんなゲーアノートにたまたま「ナポリタン」を提供。そのどこか懐かしさを感じる味に故郷を思い出すゲーアノート。そのまま心を入れ替えて、真っ当に徴税請負人として仕事をしていこうと心を入れ替えて、店を後にする…。

 

といった感じで、料理を通じて心境の変化を登場人物たちに与えていきます。みんなが幸せな道に進んでいけるところも魅力的ですね。

 

 

 

【魅力的な登場人物】

 

魅力的な登場人物がたくさん出てくることもこの漫画の面白いところ。

 

まずは「居酒屋のぶ」の店長であるタイショー。タイショーは居酒屋を始める前は有名な料亭に勤めていました。

 

しかしリストラの空気を感じて退職、自分で居酒屋を開くことにしました。その居酒屋が異世界とつながって始まったのが『異世界居酒屋「のぶ」』という話の始まりになります。

 

タイショーは、はじめは何でもできる天才料理人のように思えます。しかし、巻数が進むにつれ味のあるキャラクターとなっていきます。

 

例えば、晩酌用の厚切りベーコンをしのぶに使われたことをずっと根に持つ、自分の料理をアイテーリアの味に近づけていくべきなのか迷い始めるなど、徐々に人間味が感じられるキャラクターとなっていきます。

 

巻数が進んでいくとそういった場面が増えていき、タイショーも『異世界居酒屋「のぶ」』という舞台で生きている等身大のキャラクターだとわかり、親近感が増してきますね。

 

次に給仕の千家しのぶ。タイショーの働いていた料亭の娘でしたが、お見合いをさせられそうになり家を飛び出しました。その後、偶然タイショーと出会い、一緒に居酒屋をはじめます。

 

店では看板娘にふさわしい振る舞いをしており、明るくて料理にも詳しい存在として描かれています。が、実家を飛び出してきたことを気にしており、実家の話が出るとミスが出るほど動揺してしまうなど、迷いを感じさせる様子をみせます。

 

この二人が「居酒屋のぶ」の店員としていつも話に寄り添っており、問題解決の糸口となる料理や接客を提供しています。

 

そして、様々な悩みや問題を抱えているお客様たち

 

イカが嫌いな中隊長「ベルンホルト」

 

自分のやりたいことを模索している衛兵の「ハンス」と「ニコラウス」

 

徹底的に相手から税を搾り取る徴税請負人の「ゲーアノート」

 

蛇口を盗もうとしてそのまま店員となる貧乏少女の「エーファ」

 

上記のように色々な身分の人たちがやってきます。そして、それぞれの登場人物が問題を解決して笑顔になっていく…。この王道ともいえる安心感を支える登場人物がこの漫画の魅力の一つです。

 

 

 

【料理がおいしそう】

 

ここが原作小説との一番の違いになるかもしれません。文章だけでなく視覚的に表情や料理が描かれているためおいしさが想像しやすいっ!

 

読んでいると本当に腹が減ってきますね。コマ割りも見事だし、料理の説明とキャラクターの心情をうまくまとめて表現しているのでとても読みやすいです。

 

例えば1巻1話のハンスのおでん。料理の説明を、ハンスの驚きという心情にうまく絡ませながら、わかりやすく読者に説明しています。

 

細かい表情の書き分けとコマ割りで、味を想像しながら楽しむことができました。また、コマ割りにおいて、熱燗のお酌一つとっても3コマ使っており…この余韻がたまらないっ!

 

というわけで、料理の描写が秀逸です。読むのがめんどくさくなる料理説明もありませんし、自然とお腹が減っていく見事な技術だと思いました。

 

 

 

【まとめ】

 

 ふと暇があるときに手に取ってしまうとついつい読み進めてしまう。そんな魅力があるのが『異世界居酒屋「のぶ」』です。

 

読んでいると人情味あふれる話や変わっていく人間関係にニヤニヤしつつ、腹が減ってきます(笑)

 

原作の小説も面白いですが、漫画版も面白さを損なわずわかりやすくまとめられています。

 

読み返すなら短時間で読める漫画版がおすすめなので、原作しか読んでいない人も一度読んでみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

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